安蘇山塊末端(栃木) 大小山(313.8m) 2021年1月3日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:05 駐車余地−−6:07 やまゆり学園−−6:35 250m峰−−6:47 大小山 7:49−−8:02 250m峰−−8:19 やまゆり学園−−8:20 駐車余地

場所栃木県足利市/佐野市
年月日2021年1月3日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場やまゆり園に続く林道の途中に駐車余地あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望文句無し、360度の大展望。展望の良さでは北アルプス常念岳にも引けを取らない。関東一円の山岳同定の腕を磨いてから登ると大いに楽しめる
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コメント一般的には東側の西場集落から登られるが反対側の鷹巣集落の「やまゆり学園」から登った。事前に知らなかったが登山道あり。元旦ではないので初日の出ではないが山頂には10人以上の先客がいてびっくり。冬型の気圧配置で長野方面は雪雲に覆われていたため八ヶ岳や槍穂は見えなかったが奥日光はすっきり見えていた。100km近く離れた東京スカイツリーも肉眼ではっきりと確認できた。この標高でこれだけの大展望(遠望)の山は滅多にない。自宅から遠いが槍穂が狙えそうな日に再訪したくなった




やまゆり学園への入口には害獣除け柵あり 駐車余地
やまゆり学園登山口 途中から見た足利市街地の夜景
山頂方面。まだ暗くLEDライトで歩く 南東の空が明るくなってきた
250m峰で主稜線に乗る。山頂は間近 山頂手前の270m峰
地元では270m峰を大小山と呼んでいる 最後の登り
大小山山頂。まさかの大賑わい 山頂標識は「妙義山」。私が子供の頃は無かった
大小山から見た東〜南〜西の展望(クリックで拡大)
大小山から見た西〜北〜東の展望(クリックで拡大)
大小山から見た丹沢、奥多摩、奥秩父(クリックで拡大)
大小山から見た東京、埼玉の高層ビル群。昔はサンシャイン60しか無かったのだが、今は多すぎてどこが新宿なのか分からないほど
大小山から見た東京スカイツリー。肉眼ではっきりと見える 日の出直前。地平線に雲があって日の出が遅れた
大小山から見た筑波山。きれいな双耳峰に見える 大小山から見た奥日光の山々
大小山から見た那須方面。茶臼岳が見えるとは知らなかった 250m峰から足利市街地方面を見る
山頂を振り返る 山頂には次々と登山者がやってきている
やまゆり学園到着 やまゆり学園
林道を下る 駐車余地


・私の故郷の山。前回登ったのは何年前か。たぶん10年以上前だろう。ここは標高の割に展望が抜群で、北ア常念岳と比較しても引けを取らないと言っていい。子供の頃には毎年初日の出を見に家族で登った山で、今年は久しぶりにここで初日の出をと考えたが、事情があり1月3日に日の出を見ることにした。

・ここのメジャーな登山口は東側の西場地区だが、こちらは何度も登ったことがあるので「裏口」から登ることにした。西側の鷹巣地区で山頂南の250m峰から南西に顕著な尾根が延びているので、ここから登ってみることにした。登山道の有無は知らないが、この付近の植生なら藪の心配は皆無で適当に登っても大丈夫。

・起点となる尾根末端には地形図で建物マークが書かれているが、「やまゆり学園」という福祉施設であった。施設周辺の駐車スペースは施設関係者用だろうと考えて、車道を少し下った路側に駐車。害獣捕獲用の檻が設置してあった。なお、集落との境界には害獣避けの柵があり、通過のために手動で開閉する必要がある。柵の高さからして主に猪対策と思われる。

・冷え込んで日の出前の気温は-5℃。車のフロントガラスの水滴はカチカチに凍り付いていた。明るい月が出ており放射冷却で冷えたのだろう。ほとんど風は無く体感的には気温ほど寒くはない。

・駐車箇所から少し上がってやまゆり学園前で尾根を指して大小山の案内標識が出ていて明瞭な道が延びていた。予想していなかった登山道があったのだ。今は暗いので道があるのはありがたい。もっとも、今回は尾根をまっすぐ登ればいいのでライトの光だけでも問題ないが。

・大小山が展望がいい理由は岩っぽい山だからであるが、この尾根もあちこちに小規模な露岩があって展望が開ける。露岩と言っても西上州のようなでかくて危険なものではなく、小さくて安全なものばかりで安心して歩ける。さすがに関東平野は市街地が遠くまで広がり、眼下の足利市街から桐生や太田まで町の灯りが広がっていた。大小山山頂からはライトの光が見えていて、元日でもないのに日の出を待つ登山者がいるようだ。

・尾根を登りきると250m峰で南北に延びる主稜線に合流。ここには案内標識が出ていた。私が子供の頃は何も無かったのだが。

・小鞍部に下ると東から上がってくる登山道が合流。こちらがメインの登山道だ。一登りで270mピークに到着。ここに「大小山」の標識が出ているが、これが地元での名称。このピークの東直下の崖に「大小」の巨大文字が掲げられていて、この崖のあるピークを大小山としているのだ。私が小学校の頃は「小」の文字が落下して「大」だけ残っていた。その当時は木製だったが今は金属製に変わったとのことで、かなりの長期間に渡って文字が欠けることはないだろう。

・私が小学生の頃はこの270mピークに登るだけでバテバテで313.8?m三角点峰まで登る元気は残っていなかったが、今となってはこの程度の山では疲労は感じることはなく、小鞍部から岩っぽい斜面を登って最高点の313.8m三角点峰(大小山山頂)に到着。ここには「妙義山」の山頂標識が出ているが、これも昔は無かった標識。昔は何もないピークであった。山頂部は岩っぽい場所のため立木も無いので正真正銘の360度の大展望。西上州のあからさまは岩峰のてっぺんならこの展望もありだが、10人以上が安全にくつろげる普通の山頂で、しかも標高300mちょっとでこの展望は滅多にない。しかも大小山の位置は絶妙で、周囲に同じような高さの山が連なる山奥ではなく、関東平野の縁で北側以外は近くに山は無く遠望が効く。これは常念岳や爺ヶ岳と安曇野盆地と同じような関係だ。大小山の北側にはここより高い山が連なるが近い場所には高い山は無く、北側もかなりの大展望。この点は目の前の槍穂に西側をブロックされた常念岳よりもポイントが高い。

・意外にも先客は10人以上いてびっくり。三脚に巨大なレンズを構えて奥日光方面を撮影している人の他に、同じようなでかいレンズで他を狙っている登山者もいた。これらの人に後で話をしたら毎日のように大小山に登っている地元の常連さんであった。でかいレンズで撮影しているだけあってここから見える遠くの山についても詳しく、長野方面では奥穂や槍ヶ岳、大天井岳が見えるとのこと。残念ながら今日は冬型が強く、西側は浅間山の白い山体が微かに見える程度でその奥は雪雲で真っ白。草津白根から裏岩菅山も雪雲がかかっていなければ見えるとのこと。こんな展望が楽しめるのも低山で冬でも簡単に登れるから。夏のアルプスでは湿った空気で透明度が悪いし雲海で隠れてしまうことが多いので安蘇山塊が見られることはまずないだろう。帰宅後にカシミールで確認したところ、浅間山の左手に槍穂が見えることが分かった。こうなると冬型が弱まって北アがみえそうな天気の時にもう一度登りたくなった。

・北側の奥日光方面は日光白根、皇海山は雲に隠れていたが男体山や女峰山などはすっきりと見えていた。あちらの方が標高が高いこともあって一足早い日の光を受けてモルゲンロートに。その右手奥に見えているのは高原山と茶臼岳と判明したのは、下山後に自宅でカシミールによる「写真判定」を行った後だった。東方向で最も目立つのは双耳峰の筑波山。

・南に目を転じると矯正視力で0.7程度しかないにも関わらずスカイツリーが肉眼ではっきりと見えていた。その右手には埼玉〜東京にかけての高層ビル群。私が小学生の頃には高層ビルはサンシャイン60しかなかったのだが、今はあまりにも多すぎて新宿副都心がどこなのかも分らないほどだった。

・その右手は丹沢〜奥多摩、奥秩父にかけての山並み。こちらから見ると顕著なピークは左端の丹沢大山と富士山左側の奥多摩大岳山くらいで他は特徴に乏しく、昔は各ピークの同定はできなかったのだが、ここ最近は群馬や秩父周辺から同じような角度でこの山並みを見ていたので僅かな特徴から同定が可能になった。最も目立つのは山頂部を切り取ったように水平な破不山。その左が雁坂嶺で、3つのピークの連なりの左端が雲取山だ。破不山の右側は木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山と続くが残念ながら雲がかかっていた。これらの山がブロックして金峰山等は見えない。残念ながら今日は八ヶ岳は雪雲に隠れて影も形も見えなかった。

・あまりの大展望に見飽きることはない。まさに北アルプス並み。これまた毎日のように登っている地元のおばちゃんから暖かいコーヒーとリンゴをいただく。私は防寒具以外はほぼ何も持っていないが、地元の人はいろいろと準備しているようだ。山頂で展望を楽しんでいる間にトレランナーが数人やってきた。アルプスだけでなくこんな山でもトレランがいるのか。

・展望を十分に堪能して下山。やまゆり学園コースでは往復とも誰とも会わなかった。やはりほとんどの登山者は冨田から登ってくるようだ。

 

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